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実験で重要なこと

by yoshimura1212 last modified 2007-07-12 12:04

デキるひとデキナイやつの違いは?


この頃実験の進みが遅いので気をつけてみていると、根拠のない見込みがよく目立つことに気がついた。例えばPCRクローニングで40サイクルも50サイクルもまわしたものを目的物と判断してクローニング、シークエンスに出して違うものだった、ということがある。単にサイズが予想される長さに近いからと言う理由だけでものだと思い込んで先にすすめる。しかしこれだと間違いがわかるのに4日以上を費やすことになる。土日が入ると下手をすると1週間を無駄にする。このように無理に増やした時は違うものであることが多いことを想定してnestedのprimerを注文するとか、PCR産物を制限酵素で切ってみてものかどうか確認するとかすれば以後の無駄な数日をなくすことができる。
またある物質の効果を調べるのに、いつもの条件でつい物質の濃度を1,10,100とか振ってゼロ、すなわち標準をとらないということがある。これはもう素顔でオモテを歩けないくらい恥ずかしいことだと認識して欲しい。

自分に自信をもつことはよいことだ。やってみせるという意気込みも極めて重要だ。また楽観主義でないと研究はやっていけない。しかしこと実験に関しては綿密な考えかたをしないといけない。失敗やうまく行かない時はどう対処するのか、あるいはそれを想定してどういう対策をとるのか、バックアップをどうつくるか。ポジコン、ネゴコンの精神はここにある。私は自分で言うのもなんだがものすごく大雑把で雑な人間だ。しかし実験には早く正確にできる自信があった。それは実験については慎重で常にポジコンネガコンを取るように心がけて来たから。


できればこのようなことは身に染みついて自然に行なえるようにならないといけない。大学院のトレーニングの意味はひとつにはここにある。よく仕事のできるひと、できないひと、と比較される。卒業時に優秀かそうでないかを問われることがある。本人には実はよくわからないだろうが、結局同じ仕事をやらせてどちらが早く正確に出来るか、ということにつきるわけだ。その差はこのようなごく当然の慎重さが身に付いているかどうか、自然に発揮されるかどうかの差のように思える。幸いこれは訓練で身につけられる。私もそうだった。